3流プログラマのメモ書き

元開発職→社内SE→派遣で営業支援の三流プログラマのIT技術メモ書き。 このメモが忘れっぽい自分とググってきた技術者の役に立ってくれれば幸いです。(jehupc.exblog.jpから移転中)

WindowsServer2008R2をiSCSIターゲットにする

iSCSIのターゲット(サーバ側)って、今まで本格的なストレージ製品しかないと思ってたんですが、そうじゃなかったんですね。

WindowsServerR2でも、Microsoft iSCSI Software Target を入れれば iSCSI のターゲットになれるように最近なったようです(しかも無償で)。

また、WindowsStorageServer2008 でも TechNetサブスクリプション から Microsoft iSCSI Software Target 3.2 をダウンロードしてインストールすれば iSCSI のターゲットになれるようです。(言語を英語にしないと出てきませんが。。。)

(WindowsStoreServer2008 R2の方はもとからiSCSIターゲット3.3は入ってるようです)

WindowsStorageServer の方で検証してみても良かったんですが、通常の WindowsServer2008 R2 で無償で使えるようになった Microsoft iSCSI Software Target 3.3 を試してみました。

Microsoft iSCSI Software Target 3.3のダウンロードは、こちら(iSCSITargetDLC)からできます。

解凍したx64フォルダ内の iscsitarget_public.msi インストーラからインストールすると、サーバーマネージャーの記憶域配下に "Microsoft iSCSI Software Target" ができ、iSCSIターゲットして振る舞えるようになります。

iSCSI Software Targetでは iSCSI の領域を仮想ディスク(VHD)として利用するようです。

また、通常のLANとは分けたEthernetを使ったほうが良いようです。(分けなくても使えました。)

新規 iSCSI ターゲットの作成は"Microsoft iSCSI Software Target" MMCから、"iSCSIターゲット"を右クリック→"iSCSIターゲットの作成"から行えます。

ウィザード中の iSCSI ターゲット名 は適当に決めます。

"IQN識別子"はIPアドレスにしました。

注意としてこの時のIPアドレスiSCSIイニシエータ側(アクセスするクライントホスト側)のIPアドレスになります。

次に、iSCSIターゲットの実体となる仮想ディスクを作成します。

(先に固定長のVHDを作り、それを割り当てたほうがパフォーマンスはいいようです)

さて、はまった点ですが、iSCSIターゲット作成中にイニシエータのIPアドレスを指定した場合、設定を変更しないといけません。

iSCSIターゲットのプロパティの"iSCSIイニシエータ"タブで、識別子のメソッドが "IQN" になっていると思います。

これを "IP" に編集しないといけません。

後は、イニシエータ(ホスト)側で、iSCSIイニシエータを起動します。(最初はiSCSIのサービスを起動してないというので、OKを押下しサービスを起動してやります)

"ターゲット" にiSCSIターゲットを動かしているサーバのIPアドレスを入れて、"クイック接続" すると、接続が完了します。

イニシエータ側のディスクの管理を見ると、ちゃんと割り当ててますね。

ただ、最初はオフラインになっているので、オンラインにしてから、ディスクの初期化とパーティション作成をしてやる必要があります。

今回は評価目的なので一台のサーバの上にHyper-ViSCSIターゲット用仮想サーバ、iSCSIイニシエータ用仮想サーバで検証しました。

一応iSCSIイニシエータ側からiSCSIアクセスしたときと、iSCSIターゲットで仮想VHDをマウントした後ファイル共有をかけ、iSCSIイニシエータ側からネットワークドライブした状態のベンチマークを測りました。

仮想環境なので信頼できるか情報かはわかりませんが、下記のような感じです。

iSCSIでアクセスしたとき。

↓ネットワークドライブ経由でアクセスしたとき。

読み込みに関してはほぼ同じですが、書き込みはネットワークドライブ経由のほうが1~2割程優れているという結果が出ました。

まぁ、評価環境に問題あるので信用置けませんが。。

Impress の記事でも実HDDの約10%~約20%のオーバーヘッドで済むようです。

ターゲットのプロパティで、複数のiSCSIイニシエータを接続しようとすることは出来ましたが、下記のような警告が出ます。

クラスタの検証で使うので、構わないんですが、そうでない場合はターゲットとイニシエータは1:1でないとダメなようです。

Windowsフェールオーバークラスタの検証には、共有ディスクが必要になるんですが、これで簡単に評価ができるようになり助かりました。

参考:

【仮想化道場】 無償の純正iSCSIターゲットソフト「Microsoft iSCSI Target」を試す -クラウド Watch

iSCSI Software Target 3.2をWindows Server 2008で利用する - http://pnpk.net

Windows Storage Server2008 インストール 2

@IT:特集:最新IPストレージ技術「iSCSI」 - Part.1

iSCSI - Wikipedia

MSFCとクイックマイグレーション この記事ではRocketEivisionというiSCSIターゲットソフトを使ってますが、このあたりもMSのiSCSIターゲットに置き換えられそうですね。

@IT:Hyper-V 2.0実践ライブ・マイグレーション術 第1回 Hyper-Vのライブマイグレーションの評価にもiSCSIによる共有ディスクは必要になります。