先日VMwareのセミナーに行ったときに、仮想化の前準備キャパシティプランニングで、VMware Capacity Planner というツールを使うと既存のサーバの稼働率を調査し、必要な仮想サーバのスペックを求めれるという話を聞きました。(セミナーではVMware vSphere4.1の紹介とかあって、そんなのを見てるとVMwareはやっぱ他のベンダーに比べると機能面や運用管理面で一歩先を行ってるなという感じを受けました。)
セミナーでは無料でVMware Capacity Plannerが使えると言う話を聞いたんですが、VMwaretのサイトに行くとパートナー企業にか提供してない的なことが書いてます。
で、似たようなツールがないか探したところ、Microsoft Assessment and Planning Toolkit というものがありました。
これはクライアントPCもしくはサーバにインストールし、定時間毎に指定したサーバの状態を取得し、仮想化対象になるかならないかなどをレポートできるようです。(サーバのレジストリとWMIで情報取ってるようですね。)
ということで、これを使ってキャパシティプランニングをやってみました。
まずはダウンロードですが、TechNet Microsoft Assessment and Planning Toolkitからできます。
今回のバージョンは 5.0 でした。
動作環境がちょっと面倒です。
5.0の場合は、XP SP2以上の Windows で、.Net Framework v3.5 SP1 、Windowsインストーラ4.5、Word,Excel2007(または2003 SP2)です。また、インストール中に SQL Server 2008 Express Edition がインストールされます。
また、測定対象となるのはWindowsServerだけっぽいのはまぁ仕方ないでしょうね。LinuxやUnixサーバが多い環境ではあまり使えないかも。。。
さて、使い方ですが、英語ってところがちょっとつらいです。
まずは、FileメニューよりDatabaseを作成して、ツリーの Inventory And Assessement → Server Consolidation → Inventory And Assessement Wizard から状態取得対象のサーバを選びます。ActiveDirectoryやNetBios名、IPアドレスなどから選択できるようです。
これだけでも静的な情報は取得できます。
特にツリーの Inventory And Assessement → Inventory Summary Rasults → All Products からはどのサーバの何のソフトが入っているかがわかるのは便利です。
また、ツリーの Inventory And Assessement → Discovery and Readiness からはWindows7やWindows Server 2008,Office 2010 に移行できるのはどれかとか、現在の仮想マシンの一覧、どれくらいの Windows Server のサービスを使っているか等の概要が分かります。
各サーバの状態を取るには、ツリーの Inventory And Assessement → Server Consolidation → Performance Metrics Wizard を行います。
状態を取得したいホスト名を書いたテキストファイルを用意し、そのファイルを指定し、いつまで取得するかの期間を入力します。
これで、指定した日時までインベントリ情報を取得し続けます。
取得した結果はツリーの Inventory And Assessement → Server Consolidation → Performance Metrics Results で概要が見れます。
インベントリ情報の取得が終われば、Hardware Library Wizard から仮想マシンホストとなるサーバ機の予定スペックを入れます。そして、Server Consolidation Wizard で仮想化の種類(Hyper-VかVirual Serverか)を選択し、Hardware Library Wizard で作成したサーバ機を選択します。
これでインベントリ情報と仮想ホスト機のスペックに基づいて自動的にキャパシティプランニングをしてくれます。
また、メニューの File → Prepare new Reports adn Proposals を行うとより詳細なレポートを出力することが可能になります。
レポートは、Word,Excelファイルで出力されます。
特に仮想化のキャパシティプランニングで有用になるレポートは「ServerVirtProposal-dd-mm-yyy-hhmmss.docx」でしょう。
このレポートにはどれくらいのサーバが仮想化できるかということや、指定したサーバスペックだとどれくらいの台数が必要となり結果どれくらいのリソースが消費されるかということが記述されます。
ただやはり英語なのがつらいんですよねー。ただこのレポートについては日本語に翻訳したサンプル版が公開されています。それを見ると大体書いてることが分かります。
サンプル版のダウンロードはMicrosoft Assessment and Planning Toolkit (MAP ツール) ファースト ステップ ガイドとサンプル レポート抜粋版にてZip形式でできます。
レポートの「PerfMetricResults-dd-mm-yyy-hhmmss.xlsx」も有用です。各サーバのインベントリ情報が詳細に出ています。CPUとかでC1,C2,C2Timeが出てたのも興味深かったですね。ただ項目がパフォーマンスモニタのものが多いのでそこら辺の知識が無いと大変かもしれません。
下記のこのツールのスクリーンショットをいくつか張っておきたいと思います。
↓各サーバの現在のリソース情報の詳細です。
↓今回の目的となるサーバ仮想化キャパシティプランニングの情報です。現在サーバ9台あるのが仮想化することで2台になるようです。現在のサーバのリソース消費状況から、仮想化後の予測リソース消費状況も表示されます。
↓現在の仮想化構成情報です。
↓各サーバが何サーバなのかの統計情報です。使われていないサービスを探すのにも使えそうですね。
↓WindowsServer2008R2に関する情報です。現在のOS構成と、2008R2に移行可能な情報が出てるようですね。
↓Windows7に移行可能なPCがどれくらいあるかの情報です。(インベントリの対象をサーバじゃなくてクライアントPCにします。)
参考:
Hyper-V 関連の情報が続々と充実 - Windows Server 使い倒し塾 - Site Home - TechNet Blogs
第1回 仮想化サーバー統合への道 | Think IT VMware Capacity Plannerが紹介されてます。
仮想化によるサーバ統合を成功に導くための「キャパシティ・プランニング」とは?(EnterpriseZine (EZ) 手動でキャパシティプランニングを行う場合の方法が書いてます。